さとゆめ

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新型コロナウイルス騒動の今、場づくりの重要性について「ファイアープレイス」

新型コロナウイルス騒動の今、場づくりの重要性について「ファイアープレイス」

こんなことになるなんて、いったい誰が予想しただろう。

新型コロナウイルス。この得体の知れないウイルスは世界中を混乱に陥れ、私たちから日常を奪い取っています。

学校は臨時休校となり、スポーツやエンターテインメントなどのイベントは中止または延期、東京オリンピック・パラリンピックも延期が決定しました。

人が集まる場所への警戒心と自粛の高まりは、あらゆるビジネスと生活に影響を与え、中でも飲食店のダメージは計り知れません。緊急事態の今、人と人とのつながりを育む「場づくり」を行う株式会社ファイアープレイスはどのように考えているのでしょうか。株式会社さとゆめの社外プロデューサーで、株式会社ファイアープレイス代表取締役の渡邉知さんにお話を伺いました。

ファイアープレイスが手がける『ロックヒルズガーデン』と『日本橋CONNECT』の現在

「川崎にある『ロックヒルズガーデン』はビルの屋上ですので、卒業式が中止になった学生が卒業パーティーを開いたり、公園で遊ぶ感覚で親子で利用してくださるなど、徐々に回復しつつあります。

一方『日本橋CONNECT』は、会社の送別会・歓迎会や企業研修などの法人ニーズと相性が良かったため、ほぼ全ての予約がキャンセル。

今後も、政府や都道府県の要請に従いながらも営業を自粛せず、リアルイベントの代わりのオンライン配信スペース、会社や自宅以外のテレワークスペースとしての利用などにも広く開放していきますが、両店舗ともに、先行きが不透明な状態ですね」

セルフクックの鉄板焼で人とのつながりを生む日本橋CONNECT

新型コロナウイルス騒動で感じたこと

「ポジティブに捉えると、テレワークや在宅勤務に切り替えることで、時間の使い方や目的を達成するための手段を見直す機会になったと思います。ただ、その反面、代替えできないものの大切さを実感しています。たとえば、家族や友人、同僚と共有する時間と空間。今まであたり前にしてきたことが、すごくかけがえのないものだと気付かせてくれました。

私が大切にしたいのは、人と人のつながりです。一緒に食事をしたり、キャンプで火をたいたりすることが生きている実感であり豊かさでしょう。この騒動が終息すれば、『ロックヒルズガーデン』も『日本橋CONNECT』も人とつながる大切さに気付いた人たちが戻ってきてくれると信じています。」

新たな試み『コミュニティダイニング』

「3月から『日本橋CONNECT』で『コミュニティダイニング』というイベントを始めました。開催予定日をFacebookで告知し、毎回違うメニューとディスカッションテーマを用意してみんなで食事と会話を楽しもうというものです。遠くて来られない方や外出したくない方はオンラインでも参加できます。先日も、バングラデシュの友人と一緒にご飯を食べました。

今現在500名以上の登録メンバーがいて、楽しい時間を過ごしてもらっています。しばらく続けてみる予定で、ファイアープレイスや私自身の主催というより、コミュニティとして育てていき、入れ替わり立ち替わり、日々幹事が異なるホームパーティーのようにしていくのが理想です。」

より強くなった、場づくりへの思い

「今は人とのつながりが分断されています。ビジネスとしてはピンチといえますが、こんなときに助けてくれるのもまた、つながりです。『日本橋CONNECT』は飲食店という場所ではなく、人とのつながりを育む場。場づくりへの思いがいっそう強くなりました。

『コミュニティダイニング』は継続していくつもりです。そして、『日本橋CONNECT』を自分の場だと思ってくれる仲間をどれだけ増やせるか、挑戦していきたいと考えています。

私のやっている場づくりは、人とつながることで、自分ごとの総面積を拡げていくこと。今回の騒動でも、大変なときだからこそ、支え合おう、助け合おうという動きが各所でうまれています。つながりを育むファイアープレイスの場づくりは間違っていないと確信したとともに、さらに進化する機会と捉えています。今は1日も早い騒動の終息を願うばかりです。」

まるでハリウッド映画が現実になってしまったような新型コロナウイルス騒動は、世界各地で感染を拡大しています。

いつ終わるかは誰にもわからず、毎日が不安との戦いですが、私たちは負けるわけにはいきません。

人間の叡智に期待しましょう。言い尽くされたフレーズですが、止まない雨はないのですから。

記事/さとゆめ編集部