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700人の小さな村、“小菅村”で叶える理想の暮らし。「NIPPONIA 小菅 源流の村 マネージャー 谷口峻哉さん」

700人の小さな村、“小菅村”で叶える理想の暮らし。「NIPPONIA 小菅 源流の村 マネージャー 谷口峻哉さん」

こんにちは。さとゆめ編集部です。

「ふるさとの夢をかたちに」をテーマに、日本全国で地域政策の伴走型コンサルティングをしている株式会社さとゆめ

今回ご紹介するのは、山梨県の小菅村の古民家ホテル「NIPPONIA 小菅 源流の村」のマネージャーの谷口峻哉さん。

「NIPPONIA 小菅 源流の村」は、分散型古民家ホテルとして2019年8月にオープン。分散型ホテルとは、町全体をホテルに見立て、古民家などを再利用した宿泊・飲食施設を徒歩圏内に点在させる形態のホテルのこと。宿泊客がホテル内を移動するように町中を歩き回り、地元の文化や食を体験できるのが分散型古民家ホテルの特徴です。

さとゆめの社員として、ご夫婦で小菅村への移住と古民家ホテル事業に携わることを決めた谷口さん。移住するまで訪れたこともなかった村に、何を感じて「移住」「ホテルマネージャー」という大きな選択をするに至ったのか、じっくりお話を聞いてみました。

■東京の高級会員制ホテルの職場から海外、そして小菅村へ

「NIPPONIA 小菅 源流の村」のホテルマネージャーになったきっかけをおしえてください

「NIPPONIA 小菅のホテルとは、すごく良いタイミングで出会うことができましたね。私たち夫婦2人は、5年間東京都心の会員制のホテルで働いた後、“英語、自然療法などを勉強したい”、“ライフスタイルを変えたい”といった思いをきっかけに、オーストラリアに約2年半移住しました。2018年の夏に帰国し、今後どうしようか考えていたところに飛び込んできたのが、Facebookで見つけた『NIPPONIA 小菅 源流の村』のホテルマネージャー募集でした」

海外での生活も経験したうえで、小菅村のどんなところに惹かれたのでしょうか。

「それは、オーストラリアでの経験が大きく関係していています。現地でクリスタルウォーターズという100人規模の小さな村に滞在し、パーマカルチャーという、持続可能な生活を大切にしている方達に出会いました。自給自足の暮らしから、太陽光発電、雨水の再利用で生活する人達の暮らしぶりを見て、とても刺激を受けたのです。“自然や人の温かさを感じれる場所で生活をしたい”という想いが、そこで一気に膨らみました。

そのままオーストラリアに住み続けることも考えましたが、永住権の取得が難しく断念。帰国をしたタイミングで見つけたのが、“村全体がひとつのホテル”というコンセプトを掲げるこのホテルマネージャーの募集でした。東京のホテルで働いていた当時から思い抱いていた、“夫婦で小さな宿をひらきたい”という夢とも重なり、縁を感じてワクワクしながら応募しました」

■小菅村の古民家ホテルだからこそ、実現できる多くのこと

ホテルがオープンして3か月。仕事を通して日々感じることをおしえてください。

「村の人の協力なしでは、このホテルは成り立たないということを日々、実感しています。もし私たちと接するだけで一泊二日の滞在が終わってしまったら、それはありふれたホテルになってしまいますが、そこに村のお父さんやお母さんが加わることで、“小菅村でしか体験できないホテル”に変貌します。村の人の純粋な心の前では、「お客様とスタッフ」という垣根がなくなり「ふるさとに帰ってきて、地元の人に迎え入れられたような気持ち」になるんですよね。この宿の一番の魅力はここにあると感じています。」

小菅村だからこその体験を求めるお客さんに、今後どんな価値を提供していきたいですか。

「村の人と一緒にできる企画を考えていきたいと思っています。例えば、猟師の方とタッグを組んで食育ツアーをしたり、地元NPOとコラボして、多摩川源流の自然を感じられるイベントを企画したり、小菅村の良さを通してできることはたくさんあると感じています。

小菅に限らず日本の小さな村にも言えますが、“今日採れた野菜が食べられる”とか、“ため息が出るほど美しい自然”など、都心では中々経験できない感動が、この村にはあふれているんです。東京からも近いですし、別荘ではないけど、お客さんにとってセカンドプレイス的な場所に、私たちのホテルがなれたら嬉しいなと思っています」

■期待に満ちた移住、そしてタイ二ーハウスでの生活に至るまで

移住に憧れる方が多い一方で、決心がつかない方も多いと聞きます。谷口さん夫妻の移住体験で、大変だったことは何でしょうか。

「はい。振り返って感じる移住の難しさは、家族をはじめ周囲の人の理解を得ることでした。自分たちでは、ワクワクする移住計画。しかし、親世代からすると、やはり不安で、安定した収入や明確な将来像をもとめられます。この点は、結果で示すしかないと思いました。今では小菅村で安定しつつもチャレンジングな日々を送っていることを伝えることで、納得してもらいました」

そんな課題を乗り越え、“移住をしたからこそできた発見”があると谷口さんは言います。

「人の役に立てるという実感を都会より多く感じられるところです。例えば、英語が話せる、体力があるとか、都会には同じことができる人達がたくさんいます。けれど、この小さな村だと、その能力が重宝され、人の期待に応えられることがとても嬉しいんです。

今では村営のタイ二―ハウスと呼ばれる、必要最低限の大きさで、あまりモノを持たない暮らしを実践しています。オープンしたばかりのホテルの運営はまだ忙しいですが、生活が落ち着いたら畑仕事やトレイルランニングをはじめたり、理想のライフスタイルをここ、小菅村で1歩ずつ築いていきたいですね」

「NIPPONIA 小菅 源流の村」は、まだオープンして4か月。

これから、隣の地区で新たな客室となる空き家のリノベーションも始まります。

谷口さん夫妻のあたたかい思いが詰まったこれからの古民家ホテルの展開が、今からとても楽しみです。

■「NIPPONIA 小菅 源流の村」公式サイト

https://nipponia-kosuge.jp/

■予約

電話または、一休.comから予約頂けます。

電話 042-887-9210(受付時間9:00-18:00)

一休.com https://www.ikyu.com/vacation/00050804/