さとゆめ

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なぜ「好きなこと」を仕事にしないといけないのか。

なぜ「好きなこと」を仕事にしないといけないのか。

こんにちは、さとゆめ代表の嶋田です。

さて、最近さとゆめでは社員の求人を行っており、新しい仲間を近々迎え入れることになりそうなので、個人的な思い出話も絡めつつ、さとゆめが大切にしていることについて書いてみようと思います。

【求人記事】やるならとことん 泥臭く、人間らしく ともに走るコンサルタント

https://shigoto100.com/2020/11/satoyume-6.html

私は、まわりの人から「嶋田さんは、好きなことを仕事にできていいですね」とか、「好きなことをやれていて、楽しそうですね」などとよく言われます。

私は、今さとゆめでやっている仕事は、どのプロジェクトもとてもやりがいを感じていますし、こういう仕事をできるようになるまでにそれなりの苦労もしてきたので、そう言われて、まんざらでもないのですが、一方で、ちょっと釈然としない気持ちにもなります。

どういうことかと言うと、「好きなことをできて、嬉しい、楽しい」と言うようなお花畑のような意識は全くなくて、どちらかというと「好きなことをしないと食っていけない」、「好きなことをしないと自分を保てない」、さらに言うと「自分や社員が、好きなことをできていないと、会社が潰れてしまう」くらいの切実な気持ち、強迫観念すらあります。

この強迫観念は、私個人だけでなく、会社にも及んでいます。

図 さとゆめたる所以(ゆえん)

さとゆめは、「さとゆめたる所以」というステートメント(社是のようなもの)を掲げており、その中のVALUE(価値)のうち、社員に対してのVALUE(会社の価値)として、「意義のある仕事ができること」、「自由に仕事ができること」、「正当な対価が得られること」の三つを約束しています。

これは、より分かりやすく言うと、「好きなことをやってください。さとゆめはそれを全面的に応援します。」ということです。もちろん、地方創生、地域活性化、地域づくりに関わること、という前提はありますが。

社員にも、面談で、「どういう仕事がしたいのか」「どうなりたいのか」、簡単にいうと「好きなことは何なのか」というのを、何回も何回も、うるさいくらいに問いかけています。(うざいかもしれません笑)

なぜ、私がそんなふうに考えるようになったのか、きっかけとなるエピソードがあるので、少し思い出話をさせてください。

かれこれ20年近く前。私が、大学院の修士1回生のときのことです。当時、農学系の研究科で森林や林業のことを勉強していました

学部の卒業論文で扱ったテーマ(人工林をフィールドに生態学的な研究をしていました)の延長線上で修士研究をしようと思って、研究室のゼミで研究計画を発表するものの、毎回先生方・先輩方にコテンパンにされ、ボツになるという日々。

写真 学部時代の森林調査での一コマ

修士1年目の秋になっても、なかなか、指導教官の竹内先生から研究テーマにOKをもらえません。図書館に籠って、既往論文を読み漁って、まだ研究がなされていない領域を探し出して、仮説を立てて、研究手法を考えて提案しても、竹内先生は「お前、ほんまにそれがやりたいんか。それ(仮説)が分かったら、うれしいんか」の一点張りで、「いやいや、このテーマは、既往論文も出てないですし、新規性もあるんです。何とか、これで修論を書かせてもらえないでしょうか」と言っても取り合ってくれません。

今でこそ「メンタルが強い」とか「無神経」とか「鈍感」とか散々言われていますが、あのときは、私もだいぶ精神的に参っていました。そんなある日、竹内先生が5年おきくらい継続されている、北海道でのフィールド調査があるということで、手伝いというか現実逃避のつもりで、連れていってもらいました。

調査は非常に楽しいものでした。しかし、夜になり、研究のことを考え出すと寝付けず、宿舎の廊下を夢遊病者のようにフラフラと歩きまわるありさま。

そんなとき、心配してくださったのでしょう。竹内先生が、いつもの調子で、「コーヒー飲むか?」と声をかけてくれ、先生の部屋でいつものようにおいしいコーヒーを入れてくださいました(先生の研究室でコーヒーをご馳走になるのが日課でした)。

そして、入れていただいたコーヒーに口をつけ、ひといきついたら、自分でも不思議だったのですが、自分の口から、自分の思いが、堰を切ったように、あふれ出てきました。

いろいろと考えてみたけど、研究テーマが見つからず途方に暮れていること。もうどうしようもない、大学院にいる意味も見出せない、大学院を辞めたいとすら思っていること。

写真 大学・大学院の頃に取り組んでいた森林ボランティア活動

ただ、研究にはならないだろうが、自分が一番問題意識を持っていることは、2回生の頃からずっと関わってきた森林ボランティア活動であること、都市住民が山村に入っていくことの意義や、都市住民が森林所有者とどう関わっていくべきかというのは、ずっと関心があった、ということ。そんなことを、とりとめもなく、洪水のように話したと思います。

それを先生は静かに聴いてくださり、最後に、微笑んで、私の目を見据えて、ひとこと「嶋田、お前にはそれがいいよ。やってみろ」と、おっしゃいました。

あっけにとられました。自分が所属している研究室は、いわば理系の研究室で、卒論のテーマは生態学的なアプローチの研究でした。ただ、先生がやってみろと言ってくださった研究テーマは、文系ど真ん中、社会学的なアプローチで、竹内先生が指導できる範疇さえ超えてしまっています。それでも、先生は、自分が心の底から知りたいこと、明らかにしたいことをテーマにしたほうがいい。研究手法なんて、自分で勉強して身につけろと。

写真 森林ボランティア活動で大変お世話になった安井益男さん

北海道から戻った私は、別人になったかのように、わき目もふらずに研究にまい進しました。先生の「お前にはそれがいいよ。やってみろ」という言葉だけをよりどころに、まさに盲目的に、指導教官を自分で見つけ出して、研究計画を練り上げて、近畿全域の数十以上の森林ボランティア団体にアンケート調査をしたり、何十人という山のおっちゃんらに突撃のヒアリングを敢行したりしました。

夢遊病者のようだったあの頃の自分ではありません。朝も夜も、平日も休日も関係なく、自分が明らかにしたいこと、世に問いたいことだけに向って一直線に突き進みました。

その結果、盲目的というのは強いものです。修士2回生のとき、初めてデビューした社会学系の学会でとてもいい評価をもらい、それがボランティア論で著名な先生の目に留まり『森林ボランティア論』という本の一つの章を執筆させて頂いたり、また、それなりの名誉ある学会誌に掲載されるほどの成果に結びつくことになりました。

「森林ボランティア論」(嶋田が学生時代に一部執筆した書籍)

さらには、その研究内容や、私が学生時代に取り組んできた森林ボランティア活動を面白がってくれた会社に就職も決まり、なんと、地域活性化のコンサルタントになり、仕事として森林や都市農山村交流に関わるという道まで開けてしまったのです。

あの時の先生の一言「嶋田、お前にはそれがいいよ。やってみろ」がなければ、そして、自分があのとき、自分が本当に明らかにしたいことを研究テーマにせず、悶々としながら学生生活を送っていたとしたら、その後どんな人生になってしまっていたんだろうと、怖くもあります。

本当にやりたいことをやっているときと、それができていないとき、

本当に好きなことをやっているときと、そうでないときに、

こんなにも仕事や作業にパフォーマンスの差が出るのかと、

こんなにも気持ち、メンタリティのあり方に差が出るのかと、

そして、こんなにも、アウトプットに差が生まれるのかと、

自分自身で痛いぐらいに経験したのです。

その経験が、社会に出て、コンサルタントになってからも、そして経営者になってからも、今の自分を形づくった原体験の一つとして、いつも心のどこかにあります。

自分がコンサルタントとして、ビジネスパーソンとして、良い仕事をするためには、そして、良いパフォーマンスを出すためには、「やりたいこと」「好きなこと」をしないといけない。

そして、会社が成長するためには、会社が「社会の公器」としてより大きなインパクトを与えられるようになるためには、社員が「やりたいこと」「好きなこと」をできる環境を経営者としてつくっていかないといけない。

自分や社員が「やりたいこと」「好きなこと」をできる状況をつくれなければ、自分は自分でいられなくなってしまうし、さとゆめはさとゆめでいられなくなってしまう。そんなふうに考えています。そして、自分が「竹内先生」になれているだろうか、と自問自答する日々です。

個人的な思い出話が長くなってしまいました。ただ、これは、自分が会社を経営する上でとても大切にしていることなので、書かせて頂きました。

これから、さとゆめとしては新しい仲間を、社員や社外パートナーなど様々なかたちで増やしていきたいと思っています。

そのとき、皆さんの「やりたいこと」「好きなこと」をぜひ聞かせてください。そして、それを、ぜひ地域で実現していきましょう。

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