
ふくしまオーガニックコットンプロジェクトは、 在来種の綿花を有機栽培で育て、福島に新たな産業を生み出し、福島における持続可能な地域づくりを目指す取組みです。震災後の2012年に始まり、2016年にはコットンの収穫量は1トンを超えるなど、大きな活動へと成長しています。
そして、東日本大震災から7年を迎えた2018年。新たな取り組みとして、みんなで作る「コットン・ランプシェード・プロジェクト」を開始しました。
それに際し、ふくしまオーガニックコットンプロジェクトで育てた綿花を、まずは糸に仕立てることから始めよう、と糸紡ぎの道具を開発しました。
長野県朝日村の木工作家 谷口泉さんと山田義明さんにご協力いただき、伝統的な糸紡ぎ道具「スピンドル」、「チャルカ」、他に「綿くり機」、「かせあげ機」を開発。糸を紡ぐための道具ながら、そのまま飾っておきたくなるような、愛着湧くデザインが魅力的ですよ。
スピンドル

場所を選ばずに糸を紡げる小型の道具。このような糸を紡ぐための道具は、日本ではなんと弥生時代から使われていたと言われているのだとか。
使い方は、くるくると回しながら、糸を撚っていきます。やってみると楽しいんですよ。
チャルカ

インドの伝統的な糸車。机に設置して使う道具で、スピンドルに比べて効率よく糸を紡ぐことができます。
チャルカは、マハトマ・ガンディーが日課として糸を紡いでいたときに使用されていたと言われています。
綿くり機

スピンドルやチャルカで糸を紡ぐ前に、まず綿花から種を取り出します。
綿くり機に綿花を入れ、ハンドルを手で回すことで種が取り出せる仕組みになっています。
かせあげ機

紡いだ糸を「かせ」という束状にするための機械です。
大きな輪にした糸を、ぐるぐると巻いてねじるようにして留めます。
これらの手紡ぎの道具を使って、多くの人たちの手により紡がれた糸でランプシェードを編み、2018年3月の東日本大震災7年メモリアルの会場で一斉に明かりを灯しました。会場を優しく包み込む311個ものランプシェードが灯す温かい光が、緊張していた心をふっと解いてくれるような、そんな心安らぐひと時となりました。

コットンランプシェードプロジェクトは、これからも様々な取り組みを計画中です。まだまだ始まったばかり。これからの福島とプロジェクトの未来に目が離せません!
記事/さとゆめ編集部