さとゆめ

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地域のみんなで作る、まち自慢の逸品「上天草市だし開発プロジェクト」

地域のみんなで作る、まち自慢の逸品「上天草市だし開発プロジェクト」

熊本県西部、天草地域に浮かぶ大矢野島、上島、湯島など、多くの島々からなる上天草市。

穏やかな気候と豊かな海に抱かれたこの街は、一年を通して様々な地産食材であふれています。ただ、多品目ながら少量の生産しか叶わないこと、また、消費圏からの距離が遠いという悩みを抱えていました…。

そこで、農林水産省 日本の食を広げるプロジェクト「食のモデル地域推進事業」に認定されたことをきっかけに、リクルートライフスタイルやさとゆめのサポートの元、地域のみんなで考える“みんなごと”としての特産品開発プロジェクトを立ち上がりました。そして、新たな「まち自慢の食の逸品」が誕生しました。

”みんなごと”として地域みんなで取り組む

少量多品目の地産食材、そして大阪や東京などの消費圏からの距離。この2つの問題を解消するために、上天草市の農業協同組合や観光協会、商工会からなる「上天草市農林水産物ブランド推進協議会」とフードディレクター 寺脇加恵氏など事業推進パートナーを含めた「食のモデル地域育成協議会」が、「上天草 食の”みんなごと”会議※」と連携・協働し、新しい特産品の商品開発へ取り組みました。

3回に及ぶ”みんなごと会議”の開催、その時の率直な意見を受けての試作品の開発・改良、マーケティング調査を重ね、作り上げられていった、上天草市の新たな特産品「ご当地和風だし」。少量多品目という地域特性を最大限に活かしたこのだしは、美味しさだけでなく、地域の皆さんの想いもぎゅっと詰まっているようです。

その和風だしの商品開発の中でさとゆめは、主にパッケージのデザイン制作、販促ツール、ウェブサイトのデザイン・制作等々、PRにおいての重要な部分を担当しました。

一人ひとりが地域の課題を自分ごととして捉え、その上で、点ではなく地域という面の単位で“みんなごと”として取り組み出来上がった「上天草の和風だし」。食のモデル事業としても新たな道を切り拓いたのではないでしょうか。

※「上天草 食の”みんなごと”会議」

上天草市の地産食材生産者や飲食店、宿泊施設、そして市役所職員の有志からなる、農業振興の取り組みを磨き上げる場=地域の課題を”みんなごと”として捉える地域プラットフォーム。

こだわり抜いて出来上がった、まち自慢の逸品「上天草の和風だし」

「上天草の和風だし」は、上天草の海と山の恵みがギュッと詰め込まれた、地域のみんなが誇る自慢の逸品。イワシ、カサゴ、エリンギ、ハモ、タコ、タイ、ワカメをバランスよく配合し、上品で奥深い味わいに仕上げました。

【画像】上天草市HP 【画像】上天草市HP

普段の食卓の、だし巻き玉子や炊き込みご飯、お味噌汁はもちろん、海鮮チャーハンのだしとして、湯豆腐や鍋などにもおすすめ。いつもの料理がワンランクアップしたような美味しさに出会えますよ。

さらに、「上天草の和風だし」は、「熊本県農産物加工食品コンクール」で金賞を受賞。地元天草の食材が使用されていることなどが評価されました。

全国、世界へ広がる輪とこれから

「上天草の和風だし」、そしてその後に誕生した「上天草の野菜だし」は、現在も着実に取扱店を増やしています。2018年には、フランス パリでの取り扱いも始まりました。

上天草の人たちが、“みんなごと”として一丸となって作り上げた新しい特産品が、地域を飛び越えて様々なところで認められ、親しまれています。

この上天草のだし開発を一つのモデルに、様々な地域でその地ならではの特産品が地域の皆さんの手によって生みだされる。そんな豊かな地域ムーブメントが近い将来たくさんのところで見られるかもしれませんね。

記事/さとゆめ編集部