宮城県北部、三陸のリアス式海岸の一部にある、雄勝半島を有する海辺の町、石巻市雄勝町(おがつちょう)。
海に囲まれた漁業の町ながら、なんと町の面積の80%以上を山林が占めているのだとか。雄勝半島そのものも、南三陸金華山国定公園に指定されており、緑豊かな風景を作っています。
まさに、海あり、山ありの魅力的な雄勝町。この町には、その美しく豊かな自然とともに、伝統ある産業・文化が今もなお受け継がれています。
島々と海が作り出す雄勝町の自然美
雄勝町の自然を代表する一つ、八景島(やけいじま)。一年を通して緑が生い茂る小さな島です。「暖地性植物群落の北限」として1964年に国の天然記念物となった八景島は、暖地性常緑樹のユズリハやモチノキの他、落葉樹と針葉樹が混生し、この島ならではの豊かな自然を形成しています。
ひょうたん型のユニークな島の形は、「ひょっこりひょうたん島」のモデルになっているという噂もあるのだとか。その目で確かめてみませんか?
雄勝町では、八景島の他に、毎年海水浴で賑わう荒浜や、コバルトブルーの美しい水浜、幻想的な海霧の景色が見られる分浜など、自然や四季が作り出した珍しくも美しい風景が楽しめます。
見下ろす先の防波堤やテトラポッドがハートの形に見える「恋する灯台(大須崎灯台)」も人気スポットのひとつ
600年の伝統を受け継ぐ雄勝硯
雄勝町を代表する工芸品といえば、雄勝硯(おがつすずり)。その歴史は古く、室町時代まで遡ると言われています。
元和年間(1615〜1624年)、かの伊達政宗公に硯を献上したところ、賞賛され褒美を賜ったという記録が残るそう。また、2代目の忠宗公も雄勝硯のその巧みな職人技に感服したことから、硯師を伊達家でお抱えとし、採石の山への一般立ち入りを禁じたほど。それほどまでに心を打つ雄勝硯の魅力は、現代に至るまで脈々と受け継がれています。
雄勝硯は、1985年に国の伝統工芸品として指定されました。それを機に、今では硯だけでなく、お皿として使えるプレートやコースターなど、現代の暮らしに寄り添う「石のプロダクト」も生み出されています。
雄勝硯は、600年という長きに渡る伝統を受け継ぎながらも、さらに新しい時代の伝統を刻み続けています。
職人による様々な工程を経て、作り上げられる雄勝硯
伝統工芸品でもある雄勝硯ですが、気軽に製作体験も楽しめます。硯はもちろん、雄勝石への絵付けやコースターなど、身近なモノづくりワークショップも開催中。旅の思い出が詰まった、世界に一つだけのお土産を手作りしましょう。
雄勝硯について、詳しくはこちら
雄勝町には、自然や工芸品の他、自慢の海産物はもちろん、まだまだ知られていない魅力がたっぷり。
古来より受け継がれてきた「雄勝法印神楽」や、廃校となった小学校を再利用した子供の複合体験施設「MORIUMIUS」など、伝統も新しさも、雄勝町の穏やかな空気の中でのびのびと育まれているように感じます。
日本一美しい漁村、雄勝町。その美しさも心地よさも面白さも、全部まるごと感じてみませんか?
石巻市HP:https://www.city.ishinomaki.lg.jp/
雄勝町へ泊まるなら、渚泊しよう!
雄勝町の魅力を堪能するなら、渚泊(なぎさはく)してみませんか?
「渚泊」とは、日本の漁村地域への滞在型旅行のこと。
宮城県石巻市雄勝町では、2017年3月より、この渚泊事業をスタートしました。雄勝町渚泊推進協議会が中心となり、泊まるからこそ味わえる雄勝町の魅力をご紹介しています。
雄勝町の渚泊では、特産品であるホタテやウニなどの漁業体験が楽しめます。地元の漁師さんサポートの元、本格的な漁具を使用しての漁業体験は、心に残る旅の思い出になりそうですね。
実際に暮らすように泊まることで生まれる、地域の人たちとの出会いやふれあいは、いつもの旅行では味わえない、渚泊ならではの醍醐味。ぜひ一度、楽しんでみてはいかがでしょうか。
雄勝町の渚泊について、詳しくはこちら
記事/さとゆめ編集部