長野県北部、北安曇野にある小さな町、池田町。
雄大な北アルプスの姿を間近で眺めることができる、美しい景観が自慢の一つです。
そんな池田町は、現在「花とハーブの里」としても知られています。
「花とハーブの里」の魅力や素晴らしい眺望、美味しい野菜で作る食事や暮らしを池田町を訪れる人にも感じて欲しい、と新たな”癒し”の取り組みが始まりました。
花とハーブの里の始まり
かつては養蚕製糸業が盛んで、桑畑が広がっていた池田町。時代を経て、長野県でも有数の米どころとして栄えましたが、社会の変化もあり、さてどうしようか、という時に目に留まったのが、ハーブでした。
池田町には元々、米作り以外にも日照時間の多い池田町の豊かな気候を活かし、カモミールを育てる八寿恵荘を保養所に持つ(株)カミツレ研究所や、ラベンダーを栽培するラベンダーガーデン夢農場がありました。彼らの取り組みから、次第にハーブを育てる人が増えていきました。
そこで池田町は、「花とハーブの里」をまちづくりのテーマに掲げ、ハーブの癒し効果と美しい眺望、池田町人々の暮らしに根付いた、様々な取り組みを始めました。
雄大な北アルプスが間近に
”癒しのふるさと”に「ハーバルヘルスツーリズム」
長野県は、言わずと知れた健康長寿県の一つです。池田町は、長野県の中でも3番目の長寿を誇ります。そこで暮らす人々の食事や暮らしが、自然と健康長寿へと導いているのでしょう。
その池田町の暮らしとハーブを掛け合わせ、訪れる人に”癒し”の体験を楽しんでいただく「ハーバルヘルスツーリズム」プロジェクトが始まりました。
「信州池田町 ハーバルヘルスツーリズム」は、ハーブの癒し効果や、池田町の新鮮な野菜やハーブを食べる食事、北アルプスの展望や田園風景、そして森林などの自然資源を使った自然療法や森林療法を通じて、人と人がつながる場を演出する旅行を目指しています。
自社栽培のカモミールを使っての商品開発や旅館の運営、カモミール収穫などのイベント開催を行う八寿恵荘を運営する(株)カミツレ研究所も、宿泊拠点の一つとして参加。町全体でこのハーバルヘルスツーリズムを盛り上げようと、宿泊施設や町民が様々な形で参加しています。
その一つが、町民による「ハーバルヘルスケアトレーナー」。 さとゆめでは、長野県信濃町や小海町での森林セラピー等の街全体を医療施設として捉えるような自然保養地形成事業の知見を活かし、トレーナーの人材育成のお手伝いをしています。
癒し体験をご案内する、ハーバルヘルスケアトレーナー
ハーバルヘルスケアトレーナーは、町に存在する自然・植物やハーブの癒し効果を活かしたガイドができ、町の歴史・文化にも精通、おもてなしの心を忘れず、常に笑顔でお客様をご案内します。池田町独自の療法により、日頃疲れて閉ざしがちな五感を解放するお手伝いをし、呼吸法等の免疫力を上げるプログラムを実施します。
トレーナーになるためには、町独自の講義の受講が必要で、いくつかの条件をクリアし、登録された方のみがトレーナーとして活動できます。池田町ならではの、ハーブやアロマの癒し効果の講座や、心と体のストレッチ、森林療法など、様々な講義を経て、ハーバルヘルスケアトレーナーとして認定されます。
そんなハーバルヘルスケアトレーナーと共に、ハーブガーデンを訪れたり、北アルプスの眺望を眺めながらの森林セラピーウォーク、豊かな土壌で育った野菜を使った食事、そしてハーブティーを飲んでひと休み…ゆったりとした時間が流れる、癒しのふるさとで楽しむハーバルヘルスツーリズムは、心も身体も解き放ちます。
美しく色を変えることで知られている「七色大カエデ」もセラピーウォークの目玉の一つ
新鮮な野菜と花、ハーブを使った食事はハーバルヘルスツーリズムならでは
ハーバルヘルスツーリズムが作る、町全体が参加するまちづくり
トレーナーだけでなく、ハーバルヘルスツーリズムの取り組みは様々な人の協力があってこそ。遊休農地にカモミールなどのハーブを植えたり、またそれを収穫したり。長寿の町が誇る、元気な高齢者の方々も積極的に参加されています。
ハーバルヘルスツーリズムがあることで、そこで暮らす人々を含めた町全体が生き生きと動いているような、そんなまちづくりの形ができているのかもしれませんね。
池田町から見る北アルプスの姿は、ため息が出るほどの美しさ。その唯一無二の眺望と自然の中で共に行う、セラピーウォークやヨガは、なんとも言えない清々しい気持ちになります。さらに、地元の採れたて野菜を食べて、ハーブの香りでリラックス。身も心も解けるひと時となるでしょう。
ハーバルヘルスツーリズムを終えた後も、ちょっとアロマを試してみようかな、少し遠くまで散歩してみよう、と、池田町での経験が、これからの暮らしを豊かにするきっかけに少しでもなれたら…そんな想いも込めて、さらに充実した体験をお届けしていきます。
日々の忙しさやもやもやとした気持ちを軽くしてくれるような、”癒し”の体験をぜひ池田町で。
記事/さとゆめ編集部